2007年11月13日(火)― 11月21(水) 

山口県民文化ホール  シンフォニア岩国

参加アーティスト

小林孝亘 小林裕児 野上季衣 長谷川繁 掘研 吉村芳生

『 …今やアートの現在は“表現の成り立ち”から問われなければならないだろう。私たちは現代社会において既に了解されている物事や通念に対して、アートを介してある意味で変容を企てるのである。そして、そこに新しい意味と世界認識の可能性を実現したい… 』として、前回のアートムーヴ2003〈岩国〉“表現の成り立ち”が開催されてから4年が経過しました。

私たちは近代化の峠を越え重層的で多様化する現代社会にあって、著しい進化を遂げたIT化の流れとともに到来した巨大な情報化時代をむかえ、何を根拠に現実と向きあい、何を信じて行動を決定できるのでしょうか。この時代とともに必然的に私たちが背負った大きな課題といえるのかもしれません。ベンヤミンやボードリヤールの登場を待つまでもなくメディアや情報、あるいはシミュレーション自体が現実となり実体化し事実として情報化されるとき、私たちの感覚はよりどころを失い現実はいっそう不確かなものとなったといえるでしょう。

今回のアートムーヴ2007〈岩国〉では“具象の未来へ”として、多様化する今日的な美術の状況において、極めて先駆的で実験的な具象絵画・ファイバーアートの作家6名の世界に注目し、これらの作品群から示される真実の世界(リアリティー)を現代アートの一断面として紹介するものです。そして、これらの作品を通して真実の世界(リアリティー)にふれるとき、私たちの関心は表層的なものから深層的なものへと移行し、新しい価値を求めることもできるのではないでしょうか。私たちは肥大化した意識(情報)世界だけでなく、意識化されない巨大な無意識の世界に気づくことから行動したいと思っているのです。

このプロジェクトが芸術文化の問題のみならず多方面での文化交流と意識の活性化をもたらすとともに、これからの「地域」「文化」「暮らし」を考える契機ともなれば幸いです。

 

企画ディレクター 原田文明

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