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原田文明の現況2021展

2021年5月19日wed―23日sun 

10:00-18:00

シンフォニア岩国企画展示ホール

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本展は、1990年代のはじめ頃から精力的に制作してきた一連の絵画作品とドローイングとインスタレーションによる新作を中心に構成するものです。

私は日本のシュールリアリズムの拠点といわれた美術文化協会に所属し、シュール(超現実主義)の絵画から出発した後、1977-81年にかけて「荒れた大地」、「青の色面」、「白の壁面」、あるいは「ステンレスの金属板」などで構成する断片提示(モンタージュ)シリーズを発表しています。今になっておもえば、それはすでに絵画制作とは異なる独自の思考にもとづく営為を意図し、私は絵画を描きながら平面上のインスタレーションともいうべき世界を意識していたのかもしれません。

それ以後、私の関心事は「行為」と「物質」と「場所性」へとむかい、空間造形(インスタレーション)の発表とともに絵画表現の可能性を模索してきました。それは抽象や具象というこれまでの概念とは異なる新しい絵画の方向性を求めるものでした。つまり、絵画を成立させる重要な要素として物質性を重視することで、より直接的な表現とイリュージョンの可能性を探求する作業だったともいえます。そういう表現への欲求から、1989年に岩国市徴古館で発表した「木調への眼差し」という一連の作品を制作しました。その後、絵画における物質性への追求は、木を削り、記号や描かれたドローイングの線、貼り付けられた金属、モルタルなどが錯綜するミクストメディアの作品へと発展してきました。この一連の営為を私は「具体絵画」と名づけています。このように「具体絵画」はイリュージョンを否定するものではありませんが、描かれたものとは異なる具体的な物質性を絵画のきわめて重要な構成要素とする独特な考え方に基づいているのです。

新作ドローイングインスタレーションは、これらの絵画制作の過程で必然とも偶然ともいえる結果として発見されました。今回はこれらの新作と合わせて具体絵画の断面を示す作品を原田文明の現況2012展の続編として発表する機会を用意できたことは感慨深いものがあります。

最後に本展開催に際しましてご協力ご支援くださいました関係者のみなさんに心から御礼申し上げます。

WORK・壁/2000/185×380cm/合板 新聞 モルタル 鉄 アクリル樹脂塗料ほか

WORK・89/1989年/182×550×2cm/木材(米栂集成材)オイル/日本国際美術展(東京ビエンナーレ)

Drawing installation 2021-1/2021/275×1500×100cm/紙 石 木 クレヨン 鉛筆

Drawing installation 2021-2 R/157×500×300cm/ガラス 石 木炭 木

Drawing installation 2021-3 L/160×530×300cm/木炭 鉄 アクリル 木

 

原田文明展

ドローイングインスタレーション2018 

2018年11月21日wedー11月25日sun   

10:00-18:00

山口県民文化ホール  シンフォニア岩国

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ドローイングインスタレーションは、ここ十数年にわたって絵画表現の可能性について考えてきた一連の営為の中で、偶然とも必然ともいえる結果として発見されたものです。

私はこれまで「具体絵画」と称して、物質(素材)が表現目的の手段として扱われるのではなく、物質のあり方それ自体を色彩やフォルムと等しく絵画の重要な構成要素とする一連の作品を制作してきました。

ここでは行為と物質がもたらす一回性の出来事さえも絵画を成立させる重要な要素として捉え、作為的な感性によって空間へと展開されています。いうまでもなく、そのことによって生成される新しい意味と存在の可能性をリアルな知覚的世界として位置づけ、形而上学的な意味を問いかける主知的な営為と考えてきたのです。

さらに、その表現形式のあり方は平面的な二次元の世界から室内空間(場所)を構成する三次元的な世界へとその機能性を拡張し、ドローイングインスタレーションともいうべき様式へと変容させ意識化されてきたとも云えます。

私にとってもはや絵画は多元的な空間へと自在に移ろうイリュージョンの世界へと変容してきたと云うべきかもしれません。それは身体性を意識したメタフィジカルな実践として存在論的に見えかくれする場面への接近であり、換言すれば世界を包み込む現存(リアルな世界)への希求の現われというべきかも知れないのです。

本展はこれまでの多岐にわたる活動をふまえてたどりついた新作ドローイングインスタレーションの様式にさらに色彩的要素を取り入れることによって新境地への挑戦と可能性を探求する原田文明の現況とその一端を示すものです。

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Drawing Installation 18-4/2018/紙 段ボール 木炭 水彩 鉛筆 パステル/157×250 cm

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Drawing Installation 18-1/2018/紙 木材 合板 水彩/232×500×50 cm

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Drawing Installation 18-2/2018/紙 合板 木材 鉛筆 パステル/232×500×30 cm

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Drawing Installation 18-3/2018/紙 鉛筆 パステル 木々 石 /274×650×40 cm

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原田文明展

ドローイングインスタレーション2015

2015.12.2wed-12.6sun

山口県民文化ホール シンフォニア岩国

ドローイングインスタレーションは、ここ10数年にわたって絵画表現の可能性について考えてきた一連の仕事の中で、偶然とも必然ともいえる結果として発見されたものです。

私はこれまで「具体絵画」と称して、物質(素材)が表現目的の手段として扱われるのではなく、物質のあり方それ自体を色彩やフォルムと等しく絵画の重要な構成要素とする一連の作品を制作してきました。ここでは行為と物質がもたらす一回性の出来事さえも絵画を成立させる重要な要素として捉え、作為的な感性によって空間へと展開されています。

いうまでもなく、そのことによって生成される新しい意味と存在の可能性をリアルな知覚的世界として位置づけ、形而上学的な意味を問いかける主知的な営為と考えてきたのです。さらに、その表現形式のあり方は平面的な二次元の世界から室内空間(場所)を構成する三次元的な世界へとその機能性を拡張し、ドローイングインスタレーションともいうべき様式へと変容させ意識化されてきたとも云えます。

私にとってもはや絵画は多元的な空間へと自在に移ろうイリュージョンの世界へと変容してきたと云うべきかもしれません。それは身体として、あるいは存在として、覚知されるべき対象として見えかくれするもの。換言すれば、世界を包み込む現存(リアルな世界)への希求の現われというべきかも知れないのです。

本展はこれまでの多岐にわたる活動をふまえてたどりついた新作ドローイングインスタレーションで構成する原田文明の現況を示すものです。

 

​2015年12月

Relation(Stone & Stones)/2015/ビニール 石/120×1200×30 cm/手前

ドローイングインスタレーション2015展会場①

ドローイングインスタレーション2015展会場②

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